仕事を終えて疲れて社宅に帰って寝てしまっていた。
するとスマホが鳴る。知らない番号からの電話の着信である。
I「もしもし～◯◯社にいたIです。覚えていただいていますか」
◯◯社というのは私が勤めている会社である。Iなんていたっけなぁ。なんかいたような気がするが、いまいち顔が思い出せない。私が本社にいた頃、私が所属していたグループの若手社員か？なんかそんな気がする。寝ぼけていたので頭が働かない。
うっぜぇなぁ、こっちは寝てるんだよ。まぁそんなに非常識な時間でもないが…。
しかし、そろそろ異動人事が発表される季節。もしや来年春から私と勤務交代で当地で勤務するやつからの挨拶電話か？？
「あ、あぁ、覚えていますよ。」
I「Iです。☓☓プロジェクトでも一緒になった」
あぁ、お前かい。完全に思い出した。確かに☓☓プロジェクトで一緒だった。というか、私が抜けたプロジェクトの一部を彼が引き継いだのだった。引き継ぎのときしか話していないような間柄。引き継ぎの際にIに「誰々にはきちんと挨拶をしておいてください」と言ったのに全く挨拶していないというクソみたいなやつじゃないか。その時からこいつの印象は最悪。女性関係がちゃらんぽらんというのは聞いていたが、仕事もそうなのね。。。
その後も同じ課の人間からは彼の評判を聞いていた。自分が得をすることだけに邁進し、他の迷惑は考えないやつだ、と。ぶっちゃ私は☓☓プロジェクトの件以降関わることがないので別にどうでもいいのだが、やっぱそういうやつなんだなぁと思っていた。
その他にも課横断的なプロジェクトでやっぱり彼が自分の都合を優先してほっぽりだした業務に関して、取引先から軽い苦情を聞かされたり、あぁ、本当に最低なやつだな、と思っていたんです。
彼は結局、職場で見合った功績を挙げられず、踏ん張って頑張ることもせず、(別に横領というわけでもないが)会社の金を適当に使ってそのリターンを会社に還元するわけでもなく、会社に後足で砂をかけるような真似をして会社を去り独立したのだった。独立した噂を聞き、独立心がすごいなぁと思って見ていました。彼なりに工夫して商売をしているようだったし。
彼の商売は会社で培った技術を使用するものであり、真っ当にやれば会社と協力して業務を進めればお互いに利益になることができるだろう、そう思います。しかし、やっぱり社長がだめといっていわば出禁のような形になったみたい。詳しくは知らないけど、噂でそう聞きました。
そんな彼がなぜ私に電話を！？なんの用！？
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何をどうやったか知らないが、また会社に取り入ろうとしているらしい。可能なのか？というか、もはや彼に、会社に取り入るメリットがないと思うんだが。会社側のメリットはなんだろう。急に社長が目先の数字を挙げるだけの業績にこだわった？？とはいえこいつと組むことで挙げられる業績なんて、ほぼないはずなんだが。わっからんわ～。こんなやつと取引するなんて、これじゃ後足で砂をかけるような独立を会社が認めるようなもんじゃないか。
どうも社長の腹心と連絡を取り合っているようで、その腹心が色々動いているのかな。腹心に言われて私に連絡を取り、なんか色々やろうとしているみたい。この腹心は私もお世話になったので邪険にもできない。面倒だな～。寝ぼけながら電話を取ったがために妙なことに巻き込まれたわ。
