鏡の国という小説はとっても面白い。

henkendameningen.hatenablog.com

 

読み進める。とにかく響子自身の私小説『鏡の国』を読み進める。

ずーっと腑に落ちない感じ。夏の蒸し暑い日、それでなくてもシャツが地肌にべったりついて気持ち悪いのに、その上、前髪まで額にべっとりとつく。前髪を直しても直してもまた額にべっとりとつくようなあの気持ち悪さが持続する。

 

私ね、持論がありまして、小説は偶然の連続では面白くないと思うんですよ。小説である以上、何かしら事件が起きて、起承転結が起きるわけです。なので何かしら偶発的な事件が起きることは必須というか、別にいいんですけど、それが連続すると、いや、そんなことありえへんやろ、と思って興ざめしてしまうわけですね。

 

響子自身の私小説『鏡の国』も偶然の連続で物語が進むわけですが、いや、こんなこと起こらへんやろ…、いやこの偶然にこそ真相が隠されているのか?だとしたらどうやってこの偶然を装った出来事は起こるんだ…?という感触がずーっと拭えないわけです。

 

さらにその気持ち悪さは響子自身の私小説『鏡の国』の中の印象であり、そこからさらに地の文である響子の姪視点で抜け落ちた原稿の糸を探らなければならない。作中作を通して入れ子構造になっている2重の謎がつきまとうのだ。

 

最終的にこれらの謎は瓦解する。少々、手荒な方法ではあったが。

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いや~面白かった。

 

ミステリー好きな人からすると本当のミステリーではないと言われるかもしれません。事件の犯人を推測するにあたって読者には前もって情報が与えられているわけでもなし。犯人誰だ、と推測しながら読むより、次どうなるの、次どうなるの、と室見響子の私小説を読んでいくスタンスのほうが楽しめるでしょう。

 

で書いた、表紙のおどろおどろしい絵にも理由があるし、タイトルにも意味が込められていて、まさしく作中の室見響子という完璧ミステリー作家のこだわりを、作者である岡崎琢磨氏も持ち合わせていたということだろう。

 

必読ですね。