次姉の変わり身

10年ほど前かなぁ。まだ親が仕事をしていたとき。親と新幹線の距離で離れて暮らしている次姉と電話のとき。実家に帰ろうかと思うがなかなかその機会がない。でも今度ようやく実家に帰ることができるタイミングができたから帰ります、という話のとき。

「変な話やけどこうやって親の顔を見るのもあと何回になるんだろうって思ってねぇ」と言い出した。

その時は私も、あぁ、親もいい年だし、私も離れて暮らしているし、たしかに親の顔を見るのも限られているようなぁ、としみじみとしたもんだった。

その後、親は仕事をやめた。このブログでも何度か書いております。

henkendameningen.hatenablog.com

うちの親父、仕事をやめてからなんにもやることがなくなって呆けたようになっています。というか呆けています。なんにもしないみたい。認知症なのか、うつ病なのか、それの入り混じったものなのか、単に本人のキャラクターの問題なのか。

私は第一に本人のキャラクターの問題だろうと思います。数十年ずーっと誰からも指示を受けることなく、自分が一番偉いと思い他人をバカにして他人を見習うことをせず、なんの工夫もせず同じ仕事、作業の繰り返しの毎日で、脳みそを使うことなく(幸い、食うには困らなかったんでしょうが)。そういうキャラクターが元凶なんだろうと思います。仕事で使うルーチーンのシナプスだけが脳みそに刻まれ、他のシナプスは全滅していたんでしょうね。仕事をやめれば廃人同然。老後の希望もなくただ無為に日々を過ごすのみ…。腰痛も患って体を動かすことすらなくなってきた。そしてこの頃から毎年毎年母親から「お父さんが寝てばかりいる。ご飯も全然食べない」と連絡が来るようになった。

これが1,2年前だったと思う。このときには次姉「もうちょっとなんとかならんもんなん?病院とか行っていい先生いないもんなのかな?」と言っていた。それを聞いた私「年を取って元気がなくなるのは当然。食べる量が減るのも当然でしょう。それって年を取れば老眼になるし、腰も痛くなるし、体力もなくなる、そんなことをどうすることができないのと同様、どうしようもないんじゃないの?」と答えた。次姉「うーん、そうかぁ」とイマイチ納得してなさげでした。

思い返せば一番「父親っこ」だったっぽい次姉。離れて生活していることもあり、そういうふうに思ってしまうのも当然なのかなと思いました。

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先日、母親から「本当にお父さんがものを食べなくなって、病院に行ったら入院と言われました。命の危険もあるので覚悟してほしい、と医者から言われました」との連絡あり。ついに危篤状態か、と私は思いましたが、実際は別にそんなもんでもなく、念のための入院、という程度のことだったらしい。すぐに退院させられました。

しかし、私、この連絡を受けたときに「あぁ、明日からの仕事はどうしようか。もうすぐ夏休みやで。夏休みにかぶらせてくるなよな〜。旅行の計画やら色々立ててるっつーの。まったくこんなときに」と思ってしまいました。軽薄ですね、私。

で次姉と電話。次姉にも「どうやら念のための入院程度のことやったらしいよ」と伝えました。すると次姉「あぁそうなの。いやー、もう死んでしまうかと思った。来週から夏休みで沖縄旅行の予定も入ってるし…」と言い出してなかなかびっくりした!おまいはわしか!もっとしんぱいせぇっちゅーねん。1,2年前の親父心配ぷりからすると恐ろしい変わり身やな!!